ブロックプリントのお洋服で、お客様が一番気になるのが 「色落ち」 の問題。
特に天然染料のブロックプリントは、化学染料と違い、素材や染料ごとに扱い方が変わるため、適切な色止め方法を知っておくと長く美しく楽しめます。もちろん、色止めをしないでも、大丈夫ですが、気になる方は一旦色止めをおこなってください。ちなみに店主はあまりしません。。。汗
この記事では、
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染料の種類と色落ちしやすさ
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色止めの基本
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染料ごとに最も適した色止めの方法
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家でできる簡単ケア
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注意点
を、 優しく解説します。
より、ブロックプリントをこよなく愛する方に向けての記事になります!
■ ブロックプリントの色が落ちるのはなぜ?
天然染料のブロックプリントは、植物や鉱物から色を抽出して染めています。
そのため、
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風合いが美しい
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化学染料にはない深みがある
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肌にも環境にもやさしい
という大きなメリットがあります。
一方で、
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洗濯
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摩擦
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紫外線
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pH(酸性・アルカリ性)
の影響を受けやすく、色落ちすることも。だからこそ 正しい色止め が大切!!!
■ 染料ごとの色止め方法(最も重要ポイント!)
天然染料は種類によって性質が大きく違うため、「色止めのやり方も変わる」のが特徴です。
以下は、インドの職人さん・染色家の間でも一般的な方法です。
なお、生地全体で色止めを始める前に布の端で一度お確かめください。(5分ほどで変化がなければ大丈夫です。)
❤️ 赤(マダー・アリザリンなど)
→ ミョウバン(Alum / Fitkari)が最適
赤はアルミ媒染が最も安定し、
鮮やかさ・耐洗濯性ともに非常に良いです。
■やり方
1Lのぬるま湯に ミョウバン小さじ1 を溶かし、
15〜30分ほど浸すだけ。
※ミョウバンは薬局、もしくはスーパーのお漬物コーナーで購入できます。
色止めをした動画はこちらから→
💙 青(インディゴ)
→ お酢(Vinegar)を使った中和が最適
インディゴは “色止め” ではなく、
染めたあとのpH調整(安定化) が大事。
塩で処理するとかえって退色の原因になるのでNG。
■やり方
1Lの水にお酢100mLを加えて軽く浸す → すすぐ。
💛 黄・オレンジ(ターメリック、クルクミン系)
→ ミョウバンまたは塩
ターメリックは退色しやすい染料。
ミョウバンで安定、塩は補助固定として役立ちます。
💚 緑(インディゴ+黄色の重ね染め)
→ 2つの染料をそれぞれ個別に処理
1)まずインディゴ → 酢で中和
2)次に黄色 → ミョウバン処理
各10~15分で大丈夫(毎回すすぐ)
と段階に分けるのが安定します。
お酢だけでもOKです。
🖤 黒(鉄媒染=タンニン+鉄)
→ 鉄液(鉄くぎ+酢)
または、お酢もしくはクエン酸、ミョウバンで色止めが効果的
黒は色落ちがしやすい染料になります。
黒は鉄自体が媒染剤となるため強く定着します。
ただし鉄液は布が少し硬くなりやすいので注意。
🤎 茶系染料
→ 塩またはミョウバン
タンニンが豊富なので元々丈夫。
色止めを加えるとさらに長持ち。
■ 自宅でできる色止め:基本ステップ
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色止め液を作る
- 布の端で5分試す
3.30分浸してよくすすぐ
4.陰干し
5.最初の数回の洗濯は手洗い&単独で
これだけで色持ちが大きく変わります。
■ ブロックプリントを長く美しく楽しむために
色落ちは「味」でもありますが、
適切なケアをすることで 色の深みと風合いを長く保てます。
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洗濯は優しく
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陰干し
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中性洗剤
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必要な場合は染料に合わせた色止め処理
を意識するだけで、洋服が長持ちします。
NARUTREEで扱うブロックプリントも、
本来は “育てていく布” です。
天然染料ならではの変化を感じながら
日々のスタイルに取り入れていただけたら嬉しいです。
■ まとめ
天然染料はとてもナチュラル。
だからこそ扱い方ひとつで色持ちが変わります。
赤 → ミョウバン
インディゴ → お酢
黄・オレンジ → ミョウバン/塩
黒 → 鉄液/お酢・クエン酸
緑→お酢
茶色 → ミョウバン/塩
本格派の方は良かったらお試しくださいね♪